歯の本数が24本なのは異常?大人の永久歯が少ない原因と将来リスク
歯科検診やふとしたきっかけで自分の口の中を数えてみたとき、「大人の歯は28本のはずなのに、24本しかない」と不安を覚える人は少なくありません。通常、親知らずを除いた大人の永久歯は上下あわせて28本あり、親知らずを含めると最大32本生え揃うのが基本構造です。4本も少ない状態を目の当たりにすると、重大な異常や健康被害を疑ってしまうのも自然なことです。
しかし結論から言えば、歯の本数が24本であること自体は決して珍しい異常事態ではありません。計画的な歯科治療の結果として意図的に24本に整えられているケースもあれば、生まれつきの体質によるものもあります。知っておくべき本質は「なぜ24本になったのか」という理由と、「24本で正常な噛み合わせが機能しているか」という機能面の状態です。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:親知らずを除く大人の永久歯は通常28本だが、歯列矯正の小臼歯抜歯(4本)や生まれつきの先天性欠如により「24本」になる事例は非常に多い。
- 要点2:矯正などで綺麗に並んだ24本なら咀嚼機能に支障はないが、虫歯や歯周病で失った未処置の24本は噛み合わせ崩壊や顎関節症のリスクがある。
- 要点3:24本あれば「8020運動(80歳で20本以上)」の達成は十分狙えるものの、1本あたりの咬合圧負担が増えるため定期検診による歯周病予防が不可欠。
【異常なのか?】大人の歯の本数が24本しかない決定的な理由と実態
口の中に並んでいる大人の永久歯の本数は、一般的に親知らず(第三大臼歯)を除いて上下各14本の計28本です。親知らずが上下左右4本とも生え揃っていれば計32本となります。では、そこから4本少ない「24本」という状態はなぜ生まれるのでしょうか。
大人の歯が24本になる最大の要因は、「歯列矯正に伴う小臼歯4本の抜歯」と「永久歯の先天性欠如」の2つに大別されます。親知らずをすでに4本抜歯している人が、さらに上下左右の小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を4本間引く矯正治療を受けた場合、口の中に残る歯の本数はちょうど24本になります。
一方で、何の手術や抜歯も受けていないにもかかわらず24本しかない場合は、乳歯から永久歯への生え変わりの段階で後継永久歯が作られなかった「先天性欠如」や、過去に虫歯や歯周病、外傷で歯を喪失したまま放置されている可能性が考えられます。意図的な抜歯による24本なのか、病気や発育不全による24本なのかによって、将来の口腔環境に与えるインパクトは根本から異なります。
なぜ24本になるのか?小臼歯抜歯と先天性欠如のメカニズム
大人の歯の本数が24本になる具体的な背景を掘り下げると、現代人の顎の骨格変化と遺伝的要因が深く絡み合っています。
第一の理由は、歯列矯正治療における便宜抜歯(小臼歯抜歯)です。現代人は柔らかい食生活への変化に伴い顎が小型化しており、28本の歯が並びきるスペースが足りずに八重歯や乱杭歯(叢生)になりやすい傾向があります。顎の骨の中に綺麗に歯列を収め、美しいEライン(横顔の美基準)と緊密な噛み合わせを作るため、上下左右の第一小臼歯(4番)または第二小臼歯(5番)を合計4本抜歯する手法は世界標準の治療計画として確立されています。この処置を経た成人の歯列は、親知らず抜歯済みであれば自然と「24本」になります。
第二の理由は、生まれつき歯の芽が形成されない「先天性欠如」です。日本小児歯科学会の大規模調査によると、永久歯が1本以上生まれつき欠損している子どもの割合は約10人に1人(約10.1%)にのぼります。特に下顎の第二小臼歯や側切歯(前から2番目)に好発し、乳歯が抜けたあとに大人の歯が生えてこないまま成人を迎えるケースが頻発しています。先天性欠如が4箇所あれば、親知らずを除いた永久歯は元から24本しか存在しないことになります。
【年代別データ比較】日本人の平均歯数と8020運動における「24本」の現在地
日本人の平均的な歯の本数と、健康寿命の指標である「8020運動(80歳で20本以上の自分の歯を保つ)」において、24本という数字がどのような立ち位置にあるのかをデータで整理しました。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 成人(20〜30代)の平均歯数 | 約27.5〜28.2本(親知らず除く) | 基準値:28本 | 若年層の24本は矯正抜歯または先天性欠如が主因 |
| 60代の平均残存歯数 | 約24.3本(厚生労働省調査) | 20本以上維持が推奨 | 加齢・歯周病に伴い60代半ばで平均値が24本前後に到達 |
| 80代の平均残存歯数 | 約15〜17本(達成率は50%超) | 8020運動:20本以上 | 現在24本を保持していれば8020達成の素地は十分にある |
| 咀嚼能率(噛む効率) | 矯正整復済みの24本:約90〜95% 未処置欠損の24本:約60%以下に低下 | 健全歯列(28本):100% | 本数の多さよりも「上下の対合関係(噛み合っているか)」が決定的 |
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」などを参照すると、60歳前後の日本人平均残存歯数がちょうど24本前後に位置しています。20代・30代で24本であっても、それが矯正治療などによって隙間なく整えられた24本であれば、28本揃っている人と同等の咀嚼効率を発揮でき、80歳で20本を残す目標に対しても極めて有利な位置にいます。
【実態検証】24本の歯で暮らす当事者の生の声と噛み合わせのリアル
SNSや相談コミュニティ、臨床現場の声を集約すると、歯が24本である人の受け止め方は「どのような経緯で24本になったか」によって二極化しています。
【矯正で小臼歯を4本抜いて24本になった人の声】
「最初は親知らず4本に加えて小臼歯4本、合計8本も健康な歯を抜くことに強い抵抗があった。しかし治療完了後はガタガタだった前歯が綺麗に引っ込み、奥歯もしっかり噛み合うようになった。食事で困ることは一切なく、むしろ歯磨きが圧倒的にしやすくなって虫歯ができにくくなった」
【放置や虫歯で歯を失い24本になった人の声】
「奥歯を虫歯で抜いたまま放置していたら、残った周囲の歯が倒れ込んできて噛み合わせが狂った。24本残っているはずなのに、右側でしか物が噛めず、最近は顎関節の痛みや肩こりに悩まされている。同じ24本でも、隙間が空いたままなのは想像以上にストレスが大きい」
両者の声から浮き彫りになるのは、歯の価値は単なる「本数の多さ」ではなく「歯列の連続性とアーチの整合性」にあるという事実です。歯列全体が隙間なく連結していれば24本でも日常生活に何一つ不自由はありませんが、歯列の途中に欠損放置の隙間が存在すると、わずか数本の不足が全体の噛み合わせ崩壊を引き起こします。
歯の本数が24本であるデメリットと将来見落としがちな盲点
矯正治療によって整えられた24本であっても、28本フルセットで並んでいる状態と比較した際には、構造上の留意点やデメリットが存在します。
第一のデメリットは、1本あたりの歯にかかる咬合圧(噛む力)の負担増加です。人間が奥歯で噛みしめる力は体重と同等(50〜70kg以上)に達します。歯の本数が28本から24本に減ると、その圧力を分散する土台が少なくなるため、大臼歯にかかる負荷が単純計算で約15%前後増加します。特に就寝中の歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)の癖がある人は、歯のすり減りや微細な破折リスクが高まります。
第二の盲点は、将来的な歯周病による追加欠損時のバッファー(余力)の少なさです。80歳で20本を残すためには、生涯で失ってよい歯は「残り4本」しかありません。もし歯周病の進行によって大臼歯を1〜2本失ってしまうと、一気に22本、20本へと減少し、咀嚼能率の維持が急速に難しくなります。24本の歯列を持つ人は、28本ある人以上に日頃のプラークコントロールとプロによる定期クリーニングへの意識を高める必要があります。
【プロの結論】24本歯列を維持して問題ない人・早期治療が必要な人
現在の自分の口内環境が安全圏にあるのか、それとも医療介入が必要なのかを見極める判断基準を整理しました。
【経過観察・問題のない人の条件】
- 歯列矯正を完了しており、上下の歯列に隙間がなく均等に噛み合っている
- 親知らずや小臼歯を抜歯後、リテーナー等の保定管理を適切に行っている
- 硬い食べ物を左右両方の奥歯で違和感なくすり潰すことができる
- 半年に1回程度の歯科定期検診を継続して受診している
【放置厳禁・早急に受診すべき人の条件】
- 虫歯や歯周病で歯が抜け落ちた後、ブリッジやインプラントなどの補綴をしていない
- 抜けた歯の隣の歯が傾いてきたり、噛み合うはずの対向歯が伸びてきている
- 左右どちらか片側の歯でしか物を噛むことができない
- 口を開閉する際に顎関節がカクカク鳴る、または痛みがある
【歯の本数24本】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:永久歯が24本しかない場合、8020運動の達成は厳しいですか?
A1:全く厳しくありません。8020運動の目標は「80歳で20本以上」ですので、24本あれば4本余裕があります。ただし28本ある人に比べると失ってよい本数の猶予が少ないため、40代以降に急増する歯周病をいかに防ぐかが達成の鍵となります。
Q2:小臼歯を4本抜いて24本にする矯正で、将来老け顔になったりしませんか?
A2:精密なセファロ分析(頭部X線規格写真)に基づいた適正な診断であれば、口元の過度な突出が改善されて若々しく引き締まった側貌になります。ただし、無理に骨格を下げすぎると口元が寂しい印象(口元の引っ込みすぎ)になる場合があるため、抜歯の必要性については担当医と入念なシミュレーションを行うことが不可欠です。
Q3:大人になっても乳歯が残っていて全体で24本の場合、どうすればいいですか?
A3:永久歯が先天性欠如していて乳歯が残存している場合、その乳歯に揺れや大きな虫歯がなければ、30代〜40代以降もそのまま使い続けられるケースがあります。無理に抜く必要はありませんが、乳歯の根は永久歯より浅く寿命が短いため、定期的にレントゲンで歯根の状態をチェックし、将来喪失した際の補綴計画を歯科医と相談しておくと安心です。
まとめ:歯が24本でも正しい噛み合わせと定期メンテナンスで一生噛める
大人の歯が24本しかないという状態は、歯列矯正や先天性欠如といった明確な理由がある限り、解剖学的な異常や健康障害を意味するものではありません。現代の歯科医学において最も重視されるのは、単純な本数の多寡ではなく、「残された歯が正しい位置で噛み合い、均等に力を分散できているか」という機能性です。
適切な治療とケアによって美しく並んだ24本の歯列は、乱雑に生えた28本や親知らずを含めた32本の歯列よりも遥かに清掃性が高く、生涯にわたって虫歯や歯周病から歯を守りやすいという大きなメリットを持ち合わせています。欠損部分を放置せず、日々の丁寧なブラッシングと定期的な歯科メンテナンスを両輪として継続することで、24本の歯であっても生涯にわたり快適な食生活と健康な口腔環境を維持していくことができます。 (出典: 歯 の 本数 24 本(Yahoo!ニュース))